【公開研究会(第33回)】(2008.10.6) 第5回 農業・環境・資源経済学ワークショップ 湖沼流域における環境評価のフロンティア
更新日時: 2009/10/01 10:43

日時:2008年10月6日(月)16:30〜18:30
場所:滋賀大学大津サテライトプラザ(JR大津駅前平和堂5階-添付資料参照)

参加費:無料

▲▽▲プログラム ▲▽▲

■報告1 
◆環境評価の最先端:湖沼生態系評価を事例として
三谷 羊平 氏 (早稲田大学・コロラド大学ボルダー校
日本学術振興会特別研究員(PD))

◆討論者
竹内 憲司 氏 (神戸大学大学院経済学研究科 准教授)
◆報告要旨

 環境経済学の分野では生態系サービスのような市場で取引されない非市場財の経済的価値を評価する手法が発展してきた。元々は、費用便益分析や外部性の内部化に用いるために評価額を推定することが主な目的とされてきたが、近年、研究レベルでは個人の選択行動に注目してその背後にある心理的な要因を探るなど、環境保全に関する人間行動や生態系の価値構造をより深く観察することが可能になりつつある。
 そこで、本報告では、環境評価における最新の研究成果を紹介することで、人々が環境保全行動をとる第一義的な動機となる生態系の価値の特徴を整理したい。特に、湖沼生態系を事例として、生態学的な評価に基づいた経済的評価がいかにして行われるか、及び、最新の分析手法を用いることで何をどこまで明らかにすることができるのかを簡潔に紹介することを目的とする。
 第一に人々にとっての環境保全の便益を貨幣尺度で客観的に評価し得る経済学的な手法を紹介する。
 第二に、釧路湿原達古武沼における自然再生を事例として、経済的評価の全体的な手順を具体的に紹介することで、どのように自然科学的な知見に基づいた評価が行われるのかを示す。
 第三に、最新の分析手法を用いることで何をどこまで明らかにすることができるのかを紹介する。特に、どこまで再生するかという再生水準への示唆、環境保全をめぐる好みの多様性の把握と合意形成への示唆、生態系に関する情報提供が価値形成に与える影響などについて紹介する。最後に、環境評価の課題と可能性を論じることで、今後の方向性を示す。

■報告2 
◆How decision-making rule influences citizens' preference for ecological
restoration: Evidence from experimental survey in Kushiro, Japan
伊藤 伸幸 氏 (神戸大学大学院経済学研究科 博士後期課程)

◆討論者
田中 勝也 (滋賀大学環境総合研究センター 准教授)
◆報告要旨

We conducted an experiment on collective decision-making to analyze how decision-making rules influence individual preferences in the collective decision-making in nature restoration projects. Our study compares two decision-making rules―the consensus rule and the majority rule―wherein the participants decide the plan of nature restoration in the Kushiro Wetland, Japan.
Our main finding is that the degree of reflection of the preference from the individuals to the collective decision-making is higher under the consensus rule than in the majority rule. Furthermore, higher dissatisfaction of the participants with the result of collective decision-making is associated with a larger disparity in the marginal willingness to pay (MWTP) between the collective and individual decision.
<<戻る>>