湖沼流域ガバナンス研究成果一覧

ラドガ湖からバルト海に注ぐネバ川
 
2008年4月に開始されたプロジェクトは、連携機関によるコアグループの立ち上げ、湖沼流域ガバナンスを分析する枠組みの検討と課題の特定、現地プロジェクトチーム編制に向けた協力の要請、現地調査および関係機関との協議やワークショップの開催を行うと共に、知識ベースシステム構築にむけた専門家ワーキンググループの立ち上げなど一連の活動を行うこととした。

2008年度計画の実施状況の概要は、四半期ごとに以下の通り整理できる。

第1四半期
準備期間の5月初旬までに学内関係者、協力研究機関(ILEC、滋賀県立大学)関係者との協議を行った。5月中旬には、諏訪湖流域ガバナンス研究協力の協議のため湖と流域にある関係機関を訪問、とくに信州大学山岳科学総合研究所とは今後の協力について意見交換をし、その後の研究協力へとつなげた。一方、国外情報収集の最初の取り組みとして中国湖沼会議第1回事前協議へ参加(北京:5月30日、別途予算)、2009年度の世界湖沼会議における"ILBM"特別セッションの開催に向けた準備を開始した。6月初句には学内推進会議を設置し、国際コアグループを立ち上げ、第1回ワーキンググループ会議(WGM 1:6月13〜16日)を開催し、プロジェクトの進め方、とくに事例湖沼の選定、事例湖沼の流域ガバナンスの主要課題、現地プロジェクトチーム(LPT)による湖沼概要書(lake brief)ガイドラインの作成、知識ベースシステムの今年度の取り組みなどについて協議を行った。また、霞ヶ浦、手賀沼、印旛沼の第一回現地調査をWGM 1メンバーの参加を得て行った。

チニ湖調査(マレーシア) チニ湖調査(マレーシア) ウジヤニ貯水池(インド)

第2四半期
国外現地調査が本格化した。マレーシア国立水理学研究所NAHRIM主催による"ILBM"専門家会議および現地調査(7月6〜16日)、ロシア科学アカデミー動物学研究所の支援によるラドガ湖、チュード湖(ペプシ湖)、イルメン湖の現地調査および協議(8月7〜15日)、インド水生生物学協会IAABの主催によるフセインサガール湖、ウジャニ貯水池をめぐる"ILBM"ワークショップの開催(8月27日〜9月4日)などの一連の活動をした。また、GIS-Remote Sensing専門家グループを発足させ、国内外の専門家による会合(7月26日〜8月2日)を開催した。なお、世界的な水間題を議論するストックホルム水シンポジウム(8月17〜23日)では第2回ワーキンググループ会議(WGM 2:8月20日)を開催し、並行して流域ガバナンス関連セッションに参加して幅広く研究情報の収集を行った。なお、第2回学内推進会議および第1回国内推進会議準備会議を7月下旬に開催し、また知識ベース構築に関する第2回目の関係者会議を8月下旬に開催した。

チュード湖(ロシア) チニ湖(マレーシア) ベグナス湖岸にて(ネパール)

第3四半期
9月上旬には国外湖沼流域調査の一環として韓国錦江流域、特に大田上流域の貯水池及び河川流域における地元研究機関・NGOの取り組み、政府主要機関の水資源・流域管理の取り組みについて情報収集(9月17〜20日)を行った。また、10月以降はフィリピン・ラグナ湖(10月8〜15日)、メキシコ・チャパラ湖(11月15〜23日)、マレーシア・チニ湖、ブキットメラ湖(11月15〜23日)、ネパールのフェワ湖、ルパ湖、ベグナス湖などの山岳湖沼(12月14〜20日)の調査および関係機関との協議と情報収集を行った。ラグナ湖の場合は都市化問題と地球温暖化問題、マレーシアは土地開発をめぐる土壌流亡、ネパールにおいては森林破壊の影響と氷河湖の崩壊問題などが主要な検討課題となった。既にマレーシアおよびネパールは"ILBM"に代表される湖沼流域ガバナンスの枠組みを国の湖沼流域管理政策の中心に位置づける取り組みを開始している。Lake Brief改訂の第3回ワーキンググループ会議(WGM 3)をメキシコ・チャパラ湖ワークショップ時に開催した。

チニ湖研究センターでの
打ち合わせ(マレーシア)
丸木舟でのルパ湖横断
(ネパール)
 

第4四半期
国際湖沼環境委員会(ILEC)および総合地球学研究所との連携事業として、知識ベースシステムと連動する湖沼データベースシステムの改訂業務の遂行について関係機関会議をもった(2月13日)。また国内では自然再生を中心的な課題とする宍道湖・中海(1月28〜31日)を、国外では西北ロシア湖沼関係機関との第2回目の協議及びバルト海フォーラムへの参加(3月17〜21日)を行った。とくに後者については西北ロシア湖沼群が及ぼすバルト海への影響とともにバルト海自体が"ILBM"の対象となる重要な静水域であるという認識が存在するため、その課題についてもヘルシンキ・コミッション関係者などと今後の協力について意見交換を行った。なお、今年度の活動を集約する目的で、第一期から第四期に行った現地調査・協議をもとに、主たる現地中核機関の代表を招いて年次レビュー会議(3月2〜8日)を開催した<11を参照>。以上の活動リストは表に、その経緯で作成された資料は別添の「付属資料集リストー覧:研究推進の取り組み成果リスト」に示した。

2008年度
4月 GEG-TWAP会議(UNESCO、パリ:2008年3月26〜28日)
5月


国内湖沼流域調査(諏訪湖、信州大学、長野県、国土交通省:5月21〜22日)
プロジェクト執行計画概要協議(ILEC、県大:5月28日)
中国湖沼会議第一回事前協議(北京:5月30日)
6月







 

学内推進会議の設置をめぐる協議(プロジェクト執行計画の概要協議:6月2日)
国内湖沼流域調査(霞ケ浦、手賀沼、印旙沼:中村他及びJ.Nickum、 W.Rast、
V.Muhandiki:6月10〜13日)
国際ワーキング (彦根、大津:中村他及びJ.Nickum、 W.Rast、 T.Sato、
V.Muhandiki:6月13〜16日)
知識ベース業務委託仕様検討開始(地球研、ILEC:6月26日)
学内推進会議(プロジェクト執行計画の協議:6月28日)
7月
 


マレーシア"ILBM"専門家会議及び現地調査
(中村他及びW.Rast、 S.Jorgensen:7月6〜16日)
GIS国際ワーキング
(Tom Ballatore中心:中村、 Varcas、 Bradt、 Gyllenhammer:7月26日〜8月2日)
第2回学内推進会議、第1回国内推進会議準備会議(7月30日)
8月


 


ラドカ湖、ペプシ湖
(ロシア科学アカデミー:中村、W.Rast、 N.Aladin、木村:8月7〜15日)
ストックホルム水シンポジウム及び関連ワーキング
(中村、W.Rast、木村:8月17〜23日)
フセインサガール湖、インド中南部湖沼"ILBM"トレーニング及びワーキング
(中村他及びW.Rast、 Kodarkar:8月27日〜9月4日)
知識ベース業務委託協議(地球研、ILEC、キステム:8月25日)
9月 国外湖沼流域調査(韓国現地調査・協議、中村:9月17〜20日)
10月 マニラ、フィリピン(中村他、木谷、平山、学生:10月8〜15日)
11月


国外湖沼流域調査(メキシコ・チャパラ湖、"ILBM"ワークショップ、
ポトマック流域会議:中村、田中、松本、Santos、 Rast、 Skinner、
Guatemala 1、 Argentina2: 1 1月1 5〜23日)
12月



国外湖沼流域調査(チニ湖、ブキットメラ湖現地調査・
ワークショップ:中村、中島、浜端、中島:11月15〜23日)
国外湖沼流域調査(ネパール湖沼現地調査・
ワークショップ:中村、上田、Kodrakar:12月14〜20日)
1月 国内湖沼流域調査(宍道湖、中海:中村、平山:1月28〜31日)
2月 知識ベース業務委託仕様検討開始(地球研、ILEC)
3月

"ILBM"ガバナンス年次レビュー会議(於ILEC、 UNEP-IETC:3月2〜8日)
湖沼データベース協力事業打ち合わせ(地球研、ILEC:3月13日)
バルト海フォーラム(3月17〜21日)
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